デジタル遺産の処分

近年被相続人がデジタル遺産を所持しているケースが増えております。これらの処分はどのようにすればいいのでしょうか?

今回はデジタル遺産の処分について詳しくまとめました。

デジタル遺産の処分

遺言において指定した相続人へデータを処分するように指示することや、法的拘束力のないエンディングノートなどでデジタル遺産の処分の要望をまとめておくことなどが考えられます。

遺言書の場合でも付言事項等での要望があくまでもベースになるため、法的拘束力は弱く、実効性も弱いという懸念があります。

また委任者の死亡後も有効である委任契約も有効であるのでデータ処分やWEB状の各種サービスの削除解約等を委任する死後事務委任契約の締結も検討されます。

遺言への記載効果

まず遺言では法的拘束力を持つ法定遺言事項と、法的拘束力は持たない付言事項の二つの事項があります。法定遺言事項には遺言執行者の指定、祭祀財産の承継者の設定、特別受益の持ち戻し免除などの事項があり、これらに関する記載は法的に有効なものとして扱われます。

一方でこれ以外の事項については記載することは自由ですが、法的拘束力は持たないことになります。デジタル資産においても、付言事項として「全データを消去してほしい」などの文言を記載することは可能です。

しかしこれにより相続人が確実にその遺言を着手してくれるかどうかは、わからず法的拘束力を持たないことになります。

またデータ消去やWEBサービスの解約整理などを条件とした負担つき遺贈を行うこともあります。負担つき遺贈とは、一定の義務とともに財産を遺贈することを指します、一方的な行為であるため拒否や放棄することも可能です。

要するに遺言で一定数デジタル遺産があることなどを示唆させ、相続人の良心にかけ、実行してもらうことは可能ですが、拘束力はなく確度は高くない方法と言えます。

死後事務委任契約

次にデータやサイトの情報などの削除を行う死後事務委任契約を締結することも検討されます。

ここで死後事務委任契約は、委任社の死亡後も効力を発生することから、通常の委任契約とは異なるものとなります。というのも通常委任者の死亡により委任契約は終了するからです。

そのため委任者の死亡後も効力を持つ死後事務委任契約自体が許されるのか?という議論もありますが、平成4年の最高裁判決により、それは許されると解釈されております。

死後事務委任契約において委任される事務処理については、受任者は契約上の義務となるため、削除などデジタル遺産の処分をおこなってくれる確度は高いと見込まれます。

ただし受任者をできる限りオンライン上のサービスに詳しい人に依頼することが望ましいです。その他受任者本人の死亡の事実について受任者へスムーズに通知されるような工夫も必要です。

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