相続と聞くと、不動産や現金、預貯金をイメージする方が多いでしょう。一方で特許権であったり、商標権などの「知的財産権」も相続の対象になります。今回は特許権などの知的財産権がどれくらい相続の対象になるのか?などを詳しく解説して参ります。
知的財産権とは?
まず知的財産権とは、人の創作活動によって生まれたアイデアや表現を保護する権利のことです。言い換えると作成したキャラクターやロゴ、発明などを勝手に使われないための権利です。
大まかに産業財産権(特許権・商標権・意匠権など)と著作権(小説・音楽・映像など)に分類されます。
形こそはありませんが売買であったり、ライセンス契約等ができるので経済的な価値があり当然に財産として扱われます。
知的財産権の相続
知的財産権のほとんどが相続の対象です。大まかに財産的な権利は相続の対象となります。※特許権、商標権、著作権(印税などの財産権部分)がこれに該当
一方で人格に強く結びつく著作者人格権(氏名表示権・同一性保持権など)は相続の対象外となります。著作権には、複製権や公衆送信権など複数の権利が含まれており、これらはすべて相続対象となります。たとえば、被相続人が作家や音楽家であった場合、印税収入は相続人が受け取ることになります。
注意点
知的財産権は所有権と似ている部分がありますが一方で違いもあります。
保護期間
著作権は「著作者の死後70年」で消滅します。所有権と異なり年数に制限があるのがポイントです。
相続人が複数いると共有状態になる
知的財産権にかかわらず、遺産分割が終わるまで、知的財産権は相続人全員の共有財産となります。
人格権は引き継がれない
先述の通り人格権は引き継がれません。但し、著作者の名誉を守るため、相続人が侵害行為を止めることは可能です。
相続が難航する恐れ
まず権利の存在自体を把握しづらい点があります。収益の見込みも不透明な部分があり相続人同士で揉める可能性があります。また分割の方法も難しくなります。生前にどうするかなどをあらかじめ話し合って決めておくほうが無難です。
相続税の評価(特許権)
知的財産権も相続税の対象となります。評価は少し特殊で、著作権は印税収入をもとに評価、特許権は将来の収益性から評価、すなわち将来にわたって「どれくらいお金を生むか」が評価の基準になります。
特許権の評価は特許権者が自ら特許発明を実施している場合、事業者とみなされ、特許権の評価額は個別に算定せず、営業権に含めて一括評価となります。
一方で他人に特許発明の実施を許諾している場合、通常、その許諾の対価を現金等で受け取ります。そのため、特許権の相続税評価額は、その権利に基づき将来受ける金額の基準年利率による複利現価の額の合計額です。(特許権が存続する期間に受け取る金額の合計を現在受け取ったものとして調整をかけた金額)
なお50万円未満の場合、課税対象外となります。
